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2004-03-02

飛行機の中で

さて、いよいよインドに出発するという二日前から、あれこれ考えては緊張し、夜が眠れなくなっていた。
私は音楽家ではない。オペレッタを英語に翻訳したことから、通訳として同行することになったのだ。インドといっても耳にはいるのはあまり良くない噂ばかり、あー、インドってどんなところなんだろう。仕事で通訳するのは久しぶり、うまくできるだろうか、ひさびさのインド人の英語分かるだろうか、どんな話が交わされるのだろうか・・・。

 そんな不安を一掃してくれたのが、シンガポールからムンバイに向かう飛行機の中で、たまたま隣に座っていたMr. RAJUだった。
 Can I speak to you?(お話してもいいですか?)と思い切って聞いてみたら、Sure(もちろん)と返って来た。聞くと、セラミックレンズメーカーの仕事で名古屋にもいたことがあったという。名古屋で入った温泉が最高だったとか。今はジャカルタからの出張帰り、家に帰るのは2週間ぶりだそうだ。家へは、ムンバイで飛行機を国内線に乗り換えて、さらに1時間かかるという。

 雑談は、すぐに即席ヒンディ語講座になった。ずっと疑問だったナマステとナマスカールの違いを聞く。ナマスカールはall systemで使えると言うのだが、このall systemの意味するところが、分かるようで今ひとつよく分からない。あれ?どんな階級(カースト)にも使えるってこと?それともどんな組織でも使えるってこと?言語体系のこと?どうも違うらしい・・・。よーく聞いてみると、つまりは全ての人対象にどんなシチュエーションでも使えるということらしい。ナマステは向こうから人がやって来た時に交わす挨拶。人と人が出会ったときの挨拶。ナマスカールは一般大衆に向かって使える言葉、そういえば、飛行機の中のアナウンス、最初がナマスカールだったわ。
 セラミックレンズのシステムエンジニアであるMr. RAJUは、どのシステムでも使えるというsystemを派生させて、あらゆるシチュエーションで使えるという意味に派生させたらしい。インド人の英語、さすがに言葉の使い方が自由で、独自に派生させた意味を使うようだ・・・・。

 Mr.RAJUは、機内食はベジタリアンを食べた。完全なベジタリアンで、卵もチーズも乳製品も食べないという。タンパク質はどうするの?って聞いたら、豆類があるから大丈夫だという。ベジタリアンにもいろんな段階があるそうだが、卵も乳製品も一切、もちろんお酒も取らない人のこと(宗教上の理由で)を、「サカハリ(sakahari)・ベジタリアン」というらしい。とはいえ、Mr.RAJUにはタンパク質(protein)という言葉が通じなかった。英語を話すとはいえ、語彙にはやっぱり偏りがあるんだなぁと(もちろん日本人も一緒だが)思った。

 インドには公用語が十数種類あるという。インドは18州に分かれていて、それぞれで話される言葉が完全に違うのだ。方言レベルではなく、完全に異なる言葉らしい。だから、子供たちは学校で母国語(mother tongue)の言葉(その地方で話されているタミル語などの言葉)とヒンディー語、そして英語を習うのだという。Mr.RAJUの子供はさらにフランス語を習い、日本語も習わそうとしているらしい。うわー、すげーーとひたすら感心する。

 Mr.RAJUは、ヒンディー語の便利な言葉(Good words)をいくつか教えてくれた。その中にあったのが、See you againを意味するフィル・ミレンゲー。これは、ほんとに素敵な言葉だった。私が機内で最初に覚えたヒンディー語。再会を約束する言葉。そう、たった一度きりで終わるのではなく、これからに繋がる言葉。インドでの活動を今後に繋げていく重要な言葉だった。

 RAJUは、マハラジャのラジャから派生した、kingを意味する名前だという。飛行機を降りる時に、何かあったら連絡しなさいと名刺を渡してくれた。あー、なんていい人なんだろう。あーー、インド人って親切やん、単純にも私のインドに対する不安は一挙に溶けて、突然明るい未来が開けた。そう、だから、Mr.RAJUにはいくら感謝してもし足りないのだ。

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