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2004-03-02

インドのマサラムービー「ボンベイ」

今日のニュースで、イラクにあるシーア派の聖地で21年ぶりに行われたお祭りで爆弾テロがあったと報じられた。私はイスラム教徒でもないし、シーア派がどんな派なのかよく知っているわけでもないが、自分が大事にしているものが破壊されるという事態に、何かしら胸をかきむしられる思いがした。

 ちょうど、先日、インドのマサラ・ムービー「ボンベイ」(マニ・ラトナム監督)を見たばかりだったせいもある。
 日本でも数年前にインド映画の「踊るマハラジャ」が流行ったが、歌と踊りを交えたインド独特の映画を、マサラ・ムービーと呼ぶらしい。マサラとは、スパイスのこと。ごちゃまぜスパイスという意味である。
 「踊るマハラジャ」は実は「タミル語」の映画である。先日行ったボンベイは、「ボリウッド」とも呼ばれる映画の町だが、タミル語は話されていないために、町中ではほとんど上映されないのだという。その代わりヒンディ語のマサラ・ムービーが人気である。

 せっかくだから、タミル語と同じくヒンディ語のマサラ・ムービーも見てみようと思い、「ボンベイ」という映画を見た。この映画、前半は甘い甘いラブストーリー、歌も踊りも豊富でとても良い雰囲気。ヒロインのマニーシャ・コイララはひたすら可愛い。イスラム教徒とヒンズー教徒との禁断の恋を描いており、ロミオとジュリエットのインド版か〜?って思わせる展開なのだが、後半は一転。実際にボンベイで1992年に起こった「イスラム教モスク襲撃事件をきっかけに起こった暴動」(アヨディヤ事件)を題材にした問題作である。

 ヒンズー教徒とイスラム教徒とは絶対に結婚できない状況の中で、二人は愛を貫いて結婚する。そして双子が生まれる。この一家は、二つの宗教の中で苦悩する。親も苦悩し幼い子供も苦悩する。そして可愛い孫を思う、それぞれの祖父母も苦悩する。和解が見え隠れするなか、過酷な暴動が一家を翻弄する。

 この映画は、確かに宗教で争うことの愚かさを描いている。そして宗教を隠れみのにした「政治」の力が争いを起こしていることを見抜いている。そこには、よく日本でありがちな「だから宗教は嫌いだ」といった宗教や信仰心を否定するような論調は見あたらない。宗教や信仰心は人の生き方の根幹に関わる大事なもの、ヒロインはヒンズー教徒の夫と結婚しても、一生アラーの神を信仰し続けるであろう。二者択一ではなく、共存しあえる世界を、そんな世界がちらっとかいま見えた。

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