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2005-07-02

王子(!)メディア( Medea)

やっとこさ、二つ目の仕事がなんとかできて、今日から、イギリス行きの準備に入ります…
間に合うんだろうか…?? でもまぁ、ジャングルの奥地に行くわけでもないので、なんとかなるでしょう…

 二つ目の仕事は、非常にユニークで、非常に楽しい仕事です。日本語・英語同時進行のbilingualな劇の脚本を翻訳することになりました。題材は、王子(!)メディア。そうそう、ギリシャ神話の王女メディア(裏切った男への復讐のため、自分の子どもを殺す)話なのですが、trans-gender、男女入れ替え版なのです。メディアのとりかえばや物語って感じでしょうか。設定が、男女入れ替えだけでなく、その社会的関係も逆さまなのです。つまり、メディアが男、ジェイソン(イアソン)は女、であり、この社会では、男が家を守り、女が社会を取り仕切っているという設定になっている。皇位継承権ももちろん、女にあって、男にはない…

 日本語には、男言葉と女言葉があって、しかも言葉の使い方で各人の関係性が如実に表れます。だから、最初は非常に頭が混乱して、???になりました。男のメディアが女言葉しゃべると、おかまっぽくになってしまうし、ということで、散々悩みましたが、そのうち、そのままでいいのではないか、メディアが男言葉(男なので当然)をしゃべっても、子育て家事をするということに何の矛盾もない…、母性愛は母親・女にだけあるのではなく、子どもを思う気持ちは父親だって同じ、人間として同じなんじゃないかと思い至るようになりました。

 私の知っている外国人で、子どもが非常に好きで、子どもと一時も離れたくない、という人がいます。もし万が一、離婚することになったら、日本では父親が面会権あるいは養育権をとるのが難しいため、そんなことは考えるだに恐ろしい、なぜ日本では父親の権利がこんなに軽いのかと憤慨している人がおりましたが、その人のことを思いながら、訳しておりました。結局、人間としての愛情、嫉妬も憎しみも、男女変わりないのです。

 メディアは、金の羊毛を盗み、弟(劇では妹)を殺し、祖国を裏切って、追放されます。ジェイソンへの愛のためにやったのです。いわば、居留民、外国人です。といことで、メディアの母国語は「日本語」、ジェイソンは「英語」、回りの人たちは「英語をしゃべる人たち」、国から付いて来た従僕だけは日本語で意思疎通できるという設定になっております。

 アカデミー賞監督賞(だったと思う)をとった「Lost in Translation」東京が舞台の、ちょっと辛めの「異国の外国人」の話。アメリカで公開されたときは、日本語に字幕がつかなくて、文字通り、観客は「さっぱりちんぷんかんぷんの不安」を主人公(ビル・マーレー)と一緒に味わうことになります。これと、同じく、このバイリンガル劇の観客、外国人は日本語が分からず、日本人は英語が分からず、それぞれがやきもきしながら、見ることになるのでしょうか…。帰国後、稽古について、台本の手直しなどある予定ですが、ちょっとわくわくどきどきです。

 訳していて一番楽しかったのは、実は、「お下品な言い回し」。普段は絶対に口に出せないようなことを、主人公に言わせる(台本にあるので仕方ありません(^^;) のは、ちょっとした(いえ、かなりの)快感でした…

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コメント

お久しぶりです!
これ、スカパー!でオペラが入っていました~。録画をすればよかったな・・。
今週は東京でスロバキアオペラの格安公演があり(ピアノ伴奏で5000円の「蝶々夫人」ハイライト)、行って来ます♪

投稿: マキ | 2005-09-06 13:07

おおお、オペラ楽しんで来て下さいね。そうそう忘れてた。ロイヤルオペラハウスのレポートもしますね~。ちょっとびっくりびっくりでした。

投稿: めぐ | 2005-09-07 23:43

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