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2009-10-26

馬が走る劇

 京都労演のイベントで、能登演劇堂での仲代達也主演のマクベスを見て来ました~~。このホール、なんと舞台の奥が開くのです。奥には自然の野山が見えて馬が走るという噂だったのですが、いやー、本当に凄かったです!4時半からという中途半端な開演時間なのですが、それには深い訳があったのです!

 幕が開き、三人の魔女が出て来ます。なんとチェロの生演奏です。舞台の上手にチェロがいて、お芝居の終わりまで音楽を奏でていました。深いチェロの音色は、マクベスの劇にぴったり……。素晴らしい演出です。

 そして舞台奥を見ると、上三分の一ぐらいが透けており、遠くに山が見え、真っ白の煙がたなびいています。もちろん煙も演出として焚いているのですが、蒼い山に白の煙が美しい~。そうこうしているうちに、マクベス登場の場面で、後ろの扉が開きます。開くと、そこにはまるで借景のように野山と小道が見えます。額縁にはまった絵のような場面です。かなりの奥行きがあります。近くに植えてあるもみじが真っ赤できれいです。そして遠くの森から、馬が左右に走り段々と近づいて来ます。合計6頭の馬…。なかなかに美しく壮観な場面です。思わず、口があんぐりと開いてしまいました。

 仲代達也さんのマクベスは、かなり枯れているというか、ギラギラしたところはあまり感じられませんでした。若い奥さんに翻弄されて(そそのかされて)しゃーないなぁ(って、国王を殺害してたら世話ないけど)という感じ(^^;若村麻由美さんのマクベス夫人は本当に本当に素晴らしかったです~~。

 マクベスは、オペラで一度見たことがあります。愛しのリチートラさまがマクダフ役を歌うので、大枚をはたいて東京まで行ったのでした。

 劇のマクダフで疑問だったのが、魔女たちの預言で「女の股から生まれた者に殺されることはない」という台詞が「女から生まれた者に殺されることはない」となっていて、それだったら微妙に意味が違うじゃないか~!と思ったことです。マクダフは帝王切開で生まれて来たけど、女から生まれたことには違いないのですよん。で、その場面ではさらに、「女から生まれる前に、腹を割いて生まれて来た」って言ったのですが、なんかそこが微妙に違うんだなぁ~~、微妙なひっかかりを感じるともに、何が起こったん?と非常に不思議(^^; 後で調べてみると、原文の直訳は、「女から生まれたもの」ということらしいですが……。

 なぜ、ここにこだわるかといえば、ちょうど出かける前の仕事で帝王切開について翻訳していたからです。手術の様子が事細かに書いてある文書でした。帝王切開のことは英語で、シーザリオン(Cesarean)と言います。ジュリアス・シーザー(カエサル)のシーザーです。シーザーが帝王切開で生まれてきたからそのままの名前になりました(日本語もそうだけど)。で、帝王切開について調べていたら、マクベスの話も出て来て、つまりはマクダフも帝王切開で生まれて来たから、「俺は母の腹を破って生まれて来た」から魔女の預言には当たらないと言ってマクベスを殺すのです。なので、「股」があるかないかは、私にとっては大問題(?)だったわけです~~。うーむ、謎だ。

 さて、三人の魔女のもう一つの預言「バーナムの森が動かない限り」マクベスが死ぬことはないというのは、舞台では素晴らしかったです!

 もう劇も最終盤、クライマックスです。後ろの扉が開くと、もうとっぷりと日が暮れています!まっくらな中に、また煙がたなびき、照明があたると、向こうの木がゆさゆさと揺れます。ゆさゆさゆさゆさと揺れて、馬が走り、そのうちそのゆさゆさゆれた木が少しずつこちらに近づいて来ます。木でカモフラージュした兵士です。かなりの数の兵士ですが、奥行きがあるので本当に立体的に見えます。扉が開いたので、夜気(結構寒かった)がさーーっと客席にまで入ってきます。舞台の戦闘場面と屋外の場面、一体になってほんと壮観でした。

 そうなのです、明るい昼の場面と夜の場面、両方堪能できるなかなかに心憎い演出でした。お馬さん6頭も、雷鳴がとどろこうが何が起ころうが淡々と演技をするおりこうさんなお馬さんで、ほんま賢かったです~~~。

 ということで、能登まで行ったかいがありました~~~!

 和倉温泉も良いお湯だったし、ご飯美味しかったし(車エビの躍り食いがありました!)、本当に満足でした。ついでの観光では、金沢(身体に塗るキラキラ金粉を購入)と、井波(木彫りや欄間で有名な町で、瑞泉寺と彫刻美術館がある)を回りました~~。ずっと欲しかった輪島塗のお箸(シンプルなやつ、天然木&天然漆)も買えたし、木彫りの町で木のお椀も買えたし、非常に満足でした~~~。

 途中、氷見のフィッシャーマンズワーフで、「ぶり」を半身購入。家に帰ってから、お刺身にしました。が、なぜか誰もいないので(^^;、一人寂しく(^^; 一人でかんぱーーーいbeer Tさん、Aちゃん、お疲れ様~。チハルちゃん、2日間本当に楽しかったよ~~、ありがとう~~。
091026_204059

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コメント

そうか~、能登って観劇だったんですね。でも、行けてよかったですね。仲代さんのマクベスだもんね(*^-^)。

>魔女たちの預言で「女の股から生まれた者に殺されることはない」という台詞が「女から生まれた者に殺されることはない」となっていて

確かにこの部分は僕も疑問です。
というか、エラソーに言えないです。。また英語教えてね(≧∇≦)

投稿: かつぼう | 2009-10-27 23:15

かつぼうさん、こんにちは~。
 劇が終わって2週間しか経ちませんが、寂しくありませんか~?私はとっても手持ちぶさたです(^^;アンタレスちゃんは、パンフレット見て涙ぐんでいるらしい(^^;

 労演でも何年かぶりの能登観劇ツアーだったみたいで、今年初めてなのに本当にラッキーでした~。

 シェークスピアって奥が深いと改めて思った私。またじっくり読んでみたくなりました。

投稿: めぐむ | 2009-10-28 00:59

I am no expert on Shakespere, but I read something like this somewhere...
He did what other playwrights were doing, wrote what the public of the time seemed to want. His distinction lies in the extent to which he outdistanced his rivals and exceeded the expectations of audiences of any period. His depths are psychological rather than philosophical. His reading of the significance of human destiny is, and should be considered, an incidental and not a primary element in his works.

投稿: pumpkin | 2009-10-28 08:51

Thank you for leaving comments.
I read somewhere before that Shakespeare was the first-grade entertainer and enjoyed to entertain the public and to get great applause from them. The classics are, though we call 'classics', very popular works of that time and we can say the same thing to Kabuki and Opera masterpiece. Common human feelings are well depicted in all of them, but in Shakespeare, more wits are included and this makes me fun when seeing his play.

投稿: Megumu | 2009-10-28 10:16

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