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2010-07-24

きらめく星座

 淀にある劇団京芸のDDシアターに、「きらめく星座」を見に行って来ました。
 今年亡くなられた井上ひさしさんの名作です。

 戦争色の濃くなる昭和初期、オデオン座というレコード店が舞台。間借り人二人。ある日、この家の長男の正一が軍を脱走し、「非国民の家」になります。ところが妙案を思いついて、娘は傷痍軍人と結婚し、一転、誉れ高い「愛国の家」に…。

 客席ぎりぎりにまで作られたセット。ほんと目の前で繰り広げられるお話。
 小さな劇場は本当に楽しいです。

 それにそれに、なんと、ピアノの生演奏だったのです!
 ピアノを弾いていた森本くん、女性が演じられていましたが、台詞が2言ぐらいしかない。この人はどうしてしゃべらないのかと、私的には気になって気になって…。ついつい、姿を目で追ってしまいます。終わってから聞いてみたら、台本にも台詞は2つかしかないらしい。しゃべらずに演技するって、難しいやろうなぁ…、でも、繊細そうな音楽青年がすごく出ていて、良かったです。

 で、めっちゃ面白かったのが、娘と結婚する傷痍軍人、コチコチ軍国主義の源次郎。時々出没する脱走兵の正一くんと関わっているうちに、段々と日本の国体に疑問を持ち始めます…。コチコチぶりと、正一をかくまってしまうアタフタぶりが、非常に楽しかった。脱走兵の正一くんも正一くんで、飄々と現れる姿がなかなかに楽しい。

 この源次郎の隠しアイテム(?)が、左手の喪失に伴う幻肢痛。
 
 私の結婚した当時、元夫の舅が足に腫瘍が出来て足を切り落とすことになったのです。当時、結婚したばかり、子供もいなかったので、手術の時に姑一人だと大変なので、1ヶ月間、島根の夫の実家から大学病院のある鳥取県の米子まで毎日通ってました。手術は成功し、舅は気丈な人だったので、義足で歩けるようにもなり車の運転もできるようになりましたが、時々、幻肢痛が出て、うんうんと苦しんでました。

 無いはずの手足が痛むって、不思議だけど、ほんとうにそうみたい。
 この源次郎さんは、世の中のあり方に疑問をもつと左手が痛むという設定でした。
 が、実際は、日本の国体に疑問を持つこと自体が許されない時代、冷静に世の中を見れるようになる心の大手術なんて、なかなかできなかったんだろうなぁ~。

 歌は世につれ、世は歌に連れ。
 懐メロでしか聞いたことのない歌ですが、一杯のコーヒーから、とか、チャイナ・タンゴとか、軍歌とか、いろいろピアノに合わせて歌を歌います。時に踊ったりして、やっぱ歌はいいなぁ。家に歌があふれているって良いなぁ。夕べは寝るまでチャイナ・タンゴが頭の中をぐるぐるぐるぐる回ってました。

 ここでも、星巡りの歌が出て来ました~。宮沢賢治の歌です。
 子供なんて産んでも、幸せになれっこないから、生みたくないっていう娘に、星空を眺めながら、広告文案家が、「人間」についてのキャッチコピーを言います。
 
 広大な宇宙の中に、星が一杯あって、その中に惑星がいくつかあって、その中から人間が住めそうな水の惑星はめっちゃ少なくて、惑星の中から、そこに命が生まれる確率はもっと少なくて…。人間は奇跡みたいな存在。
 人間は生きていること自体が奇跡。

 当たり前みたいな、でも、ホントは奇跡。

 いつ終戦になるんだろうって期待して見ていましたが、お話は、開戦前日の12月7日に、家が接収されて一家が東京に長崎に満州へと、ばらばらになるところで終わります。その後の4年間、明るくいつも歌を歌っていた一家は、どのように暮らしたのでしょう。なんか切ないです。
 

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