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2011-01-30

文楽観賞教室

 時々、お客様を祇園コーナーにお連れすることがある。

 祇園コーナーでは、日本の伝統芸能を旅行者向けに見せているからです。演目は、舞妓さんによる京舞に、生け花に琴、茶道、雅楽に、狂言に、文楽とまぁ盛りだくさん、非常に旅行者向けなのですが、毎回見ても面白いのが、狂言と文楽。狂言は、日本語にも関わらず、外国人にも結構受けている。文楽は八百屋お七の半鐘を鳴らすところで、spectacularって感じです。

 三月に文芸で文楽公演があるのに先立ち、観賞教室をやるというので行って来ました。

 文楽の元々の名前は「人形浄瑠璃」。竹本義太夫が始めた大阪発祥の伝統芸能なので、大阪弁で演じられます。演目には、「時代物」と「世話物」というのがあって、時代物は行って見れば「時代劇」。江戸時代からみた時代劇なので、かなり古い話になります。で、「世話物」というのは、つまりトレンディードラマというよりワイドショーと同じで(^^;当時の心中事件などのスキャンダルは2週間後には、芝居にかかったそうです~。

 で、最初に、太夫(義太夫節を語る人)さんが、時代物の笑い方と世話物の笑い方の違いを実演してくれます。時代物の笑い方は、呼吸困難になりそうな笑い方(^^;、世話物の笑い方は今の笑い方と同じ感じ。その後、怒り方に、泣き方、泣くときは声を出したまま首を三回頷くようにすると泣いているみたいに聞こえるとか、面白い話をしてくれました。そして、次に三味線の効果音の出し方、鐘の音とか、鈴の音とか、障子が風に揺れる音とかを弾き分けてくれます。そして「呼び」という人形が入って来るときの登場音楽、女性と男性で違うし、若い女性と武家の女でも違うんです。三味線の音色が、めっちゃ色っぽい。色っぽい女性が入って来るときの音だそうです。
 びっくりしたのが、太棹の三味線の撥。撥の弾く方の先端は1cmもあるそうです!

 ここで、体験教室ということで、義太夫の語りと三味線をやってみたい人が舞台に上がってやらせてもらうのですが、なかなかに難しそう~。

 次にいよいよ人形の登場です。人形は、頭と右手、足、左手の遣い手三人で使うのです。それぞれにどういうところが難しいか教えてくれます。人形は大きさが120cm余り、重さはなんと10kgもあるのです。首や目の表情が動くのですが、それを操る糸は、三味線の糸とくじらのひげ(!)(訂正いたしました:ボリロンさんありがとうございます!)。胴体の肩は「へちま」でできていて、へちまを何枚か重ねて厚みを出すそうです。若い女性は4枚、年配の女性はちょっと恰幅が出て5枚、おばあちゃんになると減って3枚だそうです。

 足の人は、本当に歩いているように足を操り、武家の時は長袴をさっさっと払う(時代劇でやっているみたいに)様子を団扇みたいなひれでやり、女性が座るときの膝は、一瞬でげんこつを着物の中に入れて表現します。

 左手の人、左手だけで暇そうに見えるけど、実は大変で小物の出し入れを一瞬でするそうです。で、十手を左手から右手に渡し、まだ戻すという出し入れをする様子を見せてくれました。

 で、ここで、また人形の体験教室。誰かやりたい人~と言われて、はーいと思わず手を挙げてしまいました(;^_^A アセアセ… だって、回り見ても誰も知り合いはいなかったので、大胆になったのです。

 で、舞台へ(^^; 頭と右手の一番難しいところをやらせて貰いました。もう一人の女性が左手をやりたいと言ったので、さきほどの十手を受け取って見栄を切るところになりました(^^;

 めっちゃ、難しいです。右手、手を開いたりするだけでも難しいのに、途中で手を変えて十手を握れるようにしないといけないのです。
 しかもどこに左手があって、どこに身体があって、何がどうなっているのか見えない(人形の後ろにいるので)。はい、人形を上げて立ち上がって、はい座って、見栄を切ってというけど、さっぱり訳が分からないままやってましたが、客席にはめっちゃ受けていたので、多分もの凄くヘンだったのでしょう(^^; 人形がどう見えているか客観的に見えないので、ものすごく難しかったです。終わったら、ちょっとの間だったのに左肩が張ってました。やはり10kgは重たかったです。

 そして、いよいよ「お園のくどき」の段をやってくれました。人形、三人で遣ってはるのに、まるで一人でやっているよう~。見ていると自然にやってはるけど、さっき自分がやったときは、どうなってるのかさっぱり分からなかったので、ひたすら感動してました。

 その後、質疑応答。この質疑応答も面白かったです。

 太夫さんの解説が非常に良かったです。太夫、お腹に細いしゃりしゃりと音のする重そうな袋をいれているそうです。それは、着物の押さえにもなるのですが、お腹に入れておいて腹式呼吸をするとシャって音がするそうです。段々疲れてくると呼吸が浅くなるのですが、ちゃんとお腹に息が入るとしゃりって音がするから、ちゃんと息が吸えていると分かるんだそうだ~。

 ということで、非常に楽しい観賞教室でした。

 終わってから家路につく頃、かがりさんからメールが(^^;
 「素敵な人形遣いぶりでした…」 
 げっ、誰もいないと信じていたのに…(--; めっちゃ恥ずかしい(--;
 

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コメント

揚げ足取りで恐縮。

>それを操る糸は、三味線の糸とくじらの歯(!)。

まあ、「歯」でもいいのかもしれませんが、いわゆる「ヒゲクジラ」(セミクジラ、ナガスクジラ等)の「ヒゲ」です。
弾力があるので、一種のスプリング効果があり、江戸時代のからくり人形の動力にも使われています。

ついでに、呉服を作る時の物差しに鯨のひげを使ったので、「鯨尺」という言葉が生まれたとか。違ったかな?

それにしても、、、八百屋お七の櫓登りはたしかに spectacular ですねぇ。

投稿: ボリロン | 2011-01-30 23:32

ボリロンさん、ご指摘ありがとうございます!
 早速訂正しました~。
 ヒゲクジラのヒゲなのですね。あのオキアミとかを漉くヒゲですね。 鯨尺のことも知りませんでした。くじらってやっぱり日本文化に根ざしているんですね。

投稿: めぐむ | 2011-01-31 00:06

うふふcat
人形遣い振りしっかり見せていただきましたよ。
私が語りをしている若州人形座は、
二人遣いの竹人形文楽です!
文楽人形とほぼ同じ作りですが、
胴も手足も頭もすべて竹で出来ています。
足は主遣いの足につけるのです。
是非、一度ご覧くださいね。

投稿: かゞり猫 | 2011-02-01 02:32

かゞりさま、
 竹人形文楽って二人遣いなのですか~。二人でも三人でも、一人の人形を操って、生きているように見せるのだからすごい技ですよね~。しかも、その上に語りと一体化するのだから、つくづく奥深いものなんやなぁと、今回非常に勉強になりました~。見に行かせてもらいますね~。

投稿: めぐむ | 2011-02-01 09:09

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